税務通信|マイホームを売って損失が出た場合の税金と特例について(利益が出た場合)

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マイホームを売って損失が出た場合の税金と特例について(利益が出た場合)

掲載日:平成24年08月分

マイホームを売った場合の譲渡所得税についてまとめます。今月は、マイホームを売って利益が出た場合の税金と特例についてです。

  1. 不動産を売却した場合の所得と税金の計算方法
  2. 不動産を売却した場合の所得は他の所得と分離して計算します。税率は所有期間により異なり次のようになります。(特別控除は、特例に該当するときのみ適用)
    ■売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下の場合(平成19年1月1日以降に取得した不動産を、平成24年中に売却した場合)
    所得(分離短期譲渡所得)=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
    税額=分離短期譲渡所得×39%(所得税30%と住民税9%)

    ■売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年超の場合(平成18年12月31日以前に取得した不動産を、平成24年中に売却した場合)
    所得(分離長期譲渡所得)=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
    税額=分離長期譲渡所得×20%(所得税15%と住民税5%)

  3. マイホームを売却して利益が出た場合の特例
  4. では、マイホームを売却して利益が出た場合はどうなるのでしょうか?
    売買目的(営利目的)で所有していた不動産を売却して得た利益と、生活拠点であるマイホームを売却(非営利目的)して得た利益とを比べると、マイホーム売却で得た利益は担税力(税金を支払う能力)が低いと考えます。そのため、マイホームを売却して利益が出た場合は、税負担を軽減する幾つかの特例が設けられています。
    なお、特例を適用するには、要件を満たすことと、税金が0円になる場合でも期限内に確定申告することが必要です。

    特例①居住用財産の3千万円特別控除の特例
    通常は収入から取得費と譲渡費用を引いたものが利益(所得)ですが、マイホーム(居住用財産)を売却した場合は、さらに特別控除として3千万円を控除できます。
    従って、マイホームを売却しても利益が3千万円までなら税金は0円となります。
    特例②軽減税率の特例
    売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年超の場合は、税率が軽減されます。
    ■分離長期譲渡所得金額(A)が6千万円以下の場合
    税額 =A×14%(所得税10%と住民税4%)
    ■分離長期譲渡所得金額(A)が6千万円超の場合
    税額=6千万円×14%(所得税10%と住民税4%)+(A-6千万円)× 20%(所得税15%と住民税5%)
    この特例②は、特例①3千万円特別控除と併用することができます。
    特例③居住用財産の買換え特例
    他に、相続により親や祖父母が居住していたマイホームを取得した場合の買換え特例や、所有期間が10年を超える居住用資産の買換え特例などの特例があります。

この情報は2012年08月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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