掲載日:平成24年11月分
現在5%の消費税率が、平成26年4月1日に8%、平成27年10月1日に10%に引き上げられることになりましたが、注文住宅などの請負工事には経過措置が設けられました。今月は、注文住宅と消費税の経過措置についてまとめます。
注文住宅の取得に係る消費税は、土地の取得費を除き課税されます。具体的には、仲介手数料、土地の造成費や測量費、司法書士の費用、建築費用、設計費用、金融機関の融資手数料などに消費税が課税されます。
消費税の課税時期は、「原則として、その取引の態様に応じた資産の引渡しの時又は役務の提供の時」とされており、注文住宅の建築費用の場合は、建物の引き渡しを受けた時が課税時期となります。
現在5%(国税4%、地方税1%)の消費税率が、平成26年4月1日に一部改正施行されて8%(国税6.3%、地方税2.4%)、平成27年10月1日に改正施行されて10%(国税7.8%、地方税2.2%)になります。
注文住宅の建築費用は高額であることから、消費税増税の影響は大きく、早めの建築を検討されている方も多いかと思います。
ところで、先ほども記したとおり、原則としては、契約日が施行日前であっても、課税資産の引き渡し等が施行日(平成26年4月1日、平成27年10月1日)より後の場合には、改正後の税率が適用されることとなります。しかしながら、納税者への周知や取引の安定を図るためとして、次のような経過措置が設けられました。
平成25年9月30日までに住宅工事の請負契約を締結し、その契約に係る建物の引き渡しが平成26年4月1日以後になった場合、その資産の譲渡については、改正前の5%の税率が適用されます。
ただし、平成25年9月30日以後に対価が増額された場合、改正前の5%の税率が適用されるのは増額前の部分に限られます。
平成25年10月1日から平成27年3月31日までの間に住宅工事の請負契約を締結し、その契約に係る建物の引き渡しが平成27年10月1日以後になった場合、その資産の譲渡については改正後の10%ではなく、一部改正後の8%の税率が適用されます。
ただし、平成27年4月1日以後に対価が増額された場合、一部改正後の8%の税率が適用されるのは増額前の部分に限られます。
この情報は2012年11月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。