税務通信|相続税の基礎控除引下げの影響について

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相続税の基礎控除引下げの影響について

掲載日:平成25年08月分

平成25年度税制改正により、平成27年1月1日以後に発生した相続からは、相続税の基礎控除が4割引下げられます。この改正によって、相続税の課税対象となる人の割合は、亡くなられた人の4%程度から6%程度と1.5倍に増加すると見込まれています。地価が反転上昇となれば、課税対象となる人の割合はさらに増えることになります。


  1. そもそも基礎控除とは?
  2. 相続税は、正味の相続財産(相続財産から非課税額や債務を差引いた残額)から「基礎控除」を差引いた金額に対して税率を掛けて計算します。
    そもそも正味の相続財産額が「基礎控除額」以下であれば相続税は掛りません。
    この「基礎控除」の額が改正されることになりました。


    1. 改正前(現状)
    2. 基礎控除額 = 5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数


    3. 改正後(平成27年1月1日以後に発生した相続・遺贈の場合)
    4. 基礎控除額 = 3,000万円 +  600万円 × 法定相続人の数


  3. 基礎控除引下げによる影響の具体例
  4. 今回の改正で「基礎控除」の金額が引下げられるため、相続税の課税対象となる人が増えます。 例えば、両親と子供2人の4人家族の場合で、父親が亡くなり、その正味の相続財産6,000万円を妻と子供2人が相続する場合では、、、


    1. 改正前(現状)
    2. 相続財産6,000万円 < 基礎控除額8,000万円(=5,000万円+1,000万円×3人)
       = 相続税は掛らない。


    3. 改正後(平成27年1月1日以後に発生した相続・遺贈の場合)
    4. 相続財産6,000万円 > 基礎控除額4,800万円(=3,000万円+600万円×3人)
       = 基礎控除を越える1,200万円に相続税が掛かる。

      ※改正後の相続税額は、法定相続分通りに相続した場合で、配偶者は60万円、子供は1人あたり30万円と計算されます。ただし、配偶者は、法定相続分までであれば全額、法定相続分を越えても1億6,000万円までは無税になる配偶者の税額軽減制度がありますが、適用には期限内に相続税の申告書と添付書類を提出する必要があります。


    この情報は2013年8月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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