税務通信|扶養義務者からの生活費又は教育費の贈与に関するQ&A
扶養義務者からの生活費又は教育費の贈与に関するQ&A
掲載日:平成26年02月分
ここ数年で、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度や、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度など、贈与税の非課税制度の拡充が進みました。
贈与税は、原則として、贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、今回は、扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&Aをいくつかご紹介いたします。
扶養義務者からの生活費又は教育費の贈与に関するQ&A
- 扶養義務者(父母や祖父母)から生活費又は教育費の贈与を受けましたが、贈与税の課税対象となりますか?
- 扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち「通常必要と認められるもの」については、贈与税の課税対象となりません。
<注>
- 「扶養義務者」とは、次の者をいいます。
① 配偶者、② 直系血族及び兄弟姉妹、③ 家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族 、④ 三親等内の親族で生計を一にする者
なお、扶養義務者に該当するかどうかは、贈与の時の状況により判断します。
- 「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除きます。)をいいます。また、治療費や養育費その他これらに準ずるもの(保険金又は損害賠償金により補てんされる部分の金額を除きます。)を含みます。
- 「教育費」とは、被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限られません。
- 「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいいます。
- 数年間分の「生活費」又は「教育費」を一括して贈与を受けた場合、贈与税の課税対象となりますか?
- 贈与税の課税対象とならない生活費又は教育費は、生活費又は教育費として必要な都度、直接これらの用に充てるために贈与を受けた財産であり、したがって、数年間分の生活費又は教育費を一括して贈与を受けた場合において、その財産が生活費又は教育費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費又は教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。
<注>
- 「教育費」については、別途、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措法第70条の2の2)」が設けられています。
- 贈与税の課税対象とならない「教育費」とは、どのようなものをいいますか?
- 贈与税の課税対象とならない「教育費」とは、子や孫(被扶養者)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費、通学のための交通費、学級費、修学旅行参加費等をいい、義務教育に係る費用に限りません。
<注>
- 個人から受ける入学祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象となりません。
この情報は2014年2月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。
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