税務通信|非嫡出子の法定相続分違憲決定に関するQ&A

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非嫡出子の法定相続分違憲決定に関するQ&A

掲載日:平成26年03月分

最高裁は、平成25年9月4日付の決定で、民法第900条第4号のただし書前段の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一」とする規定は、憲法第14条第1項に違反し無効であるとしました。これについていくつかQ&Aを紹介させていただきます。

非嫡出子の法定相続分違憲決定に関するQ&A

質問
今回の改正によってどのような点が変わったか?
回答
民法上の法定相続分の規定のうち、これまで嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1としていた部分を削除し、嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました。これにより、相続人の中に嫡出子と嫡出でない子の双方がいる事案においては、法定相続分が変わることになります。

例えば、死亡したAに配偶者B、嫡出子C、嫡出でない子Eがあり、相続財産の価額が1200万円の場合の法定相続分に従った各相続人の相続財産取得額は次のようになります。

質問
新法はどのような場合に適用されるのか?
回答
新法は、最高裁判所による決定がされた日の翌日である平成25年9月5日以後に開始した相 続について適用することとしています(附則第2項)。相続は被相続人の死亡によって開始しますので、平成25年9月5日以後に被相続人が死亡した事案に適用されます。
また、改正による影響を受けるのは、相続人の中に嫡出子と嫡出でない子の双方がいる事案です。

質問
新法が適用されない平成25年9月4日以前に開始した相続についてはどのようになるのか?
回答
平成25年9月4日の最高裁判所決定(以下「本決定」といいます。)においては、(1)嫡出で ない子の相続分に関する規定(以下「本件規定」といいます。)が遅くとも平成13年7月においては違憲であった、(2)その違憲判断は、平成13年7月から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない、と判示しています。
最高裁判所により違憲判断がされると、その先例としての事実上の拘束力により、その後の同種の紛争は最高裁判所で示された準則に従って処理されることになります。 そのため、平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続について、本決定後に遺産の分割をする場合は、最高裁判所の違憲判断に従い、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等のものとして扱われることになります。 他方、平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続であっても、遺産の分割の協議や裁判が終了しているなど、最高裁判所の判示する「確定的なものとなった法律関係」に当たる場合には、その効力は覆りません。

この情報は2014年3月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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